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【第3話】最初の見積りから300万円アップ。それ、本当に「想定外」ですか?

2026年9月9日

 

家づくりの相談をしていると、こんな話を聞くことがあります。

「最初は予算内だったんです」

「でも打ち合わせをしていたら、どんどん金額が上がってしまって……」

100万円。

200万円。

場合によっては300万円、500万円。

最初に見せてもらった金額と、最終的な金額が全然違う。

もちろん、家づくりでは追加金額が出ることはあります。

お客様が途中で、

「やっぱりキッチンをグレードアップしたい」

「造作洗面にしたい」

「ウッドデッキを追加したい」

と希望すれば、当然金額は上がります。

それは当たり前のことです。

でも私は、

「それ、本当に契約するときには分からなかった追加なの?」

と思うことがあります。


最初の見積りが安いと、その会社が魅力的に見える

住宅会社を2社、3社と比較するとします。

A社 3,000万円。

B社 3,300万円。

C社 3,500万円。

同じような家に見えれば、

「A社が500万円も安い!」

と思いますよね。

でも問題は、

その3,000万円の中に何が入っているのか。

ここです。

照明は?

カーテンは?

エアコンは?

網戸は?

収納は?

造作は?

外構工事は?

地盤改良は?

給排水工事は?

申請費用は?

必要になりそうなオプションは?

会社によって「本体価格」に含まれる範囲は違います。

だから最初の数字だけを並べても、本当は比較できないんです。


「それはオプションです」が始まる

契約して打ち合わせが始まる。

モデルハウスで見たキッチンを選ぼうとしたら、

「こちらはオプションになります」

おしゃれだった洗面台。

「こちらもオプションです」

格好いい床。

「こちらは標準ではありません」

大きな窓。

「こちらに変更すると追加です」

あれ?

モデルハウスで見て、

「こんな家が建つんだ」

と思って契約したのに……。

標準仕様で選んでいくと、なんだかイメージしていた家と違うぞ

そこで、

「じゃあ、モデルハウスと同じものにしてください」

となる。

追加20万円。

追加30万円。

追加50万円。

これが積み重なっていきます。


そして、あの言葉がやってくる

「せっかくですから、こちらにしませんか?」

出ました。

せっかくですから。

恐ろしやー。

「一生に一度の家づくりですから」

恐ろしやー。

「あとから変更すると大変ですよ」

恐ろしやー。

そして最強。

「あとで後悔したくないですよね?」

恐ろしやー(笑)

いや、言っていることは間違っていないんです。

私だって、お客様に

「せっかくなら、こっちのほうがいいと思います」

と提案することはあります。

良いものは良い。

せっかく家を建てるなら、できる範囲で希望を叶えてほしい。

ただし、大切なのは、

その追加を含めても、最初に決めた予算の中に収まるのか。

ここだと思います。


住宅の10万円は怖い

普段の生活で、

「これ20万円です」

と言われたら、結構考えますよね。

でも3,000万円、4,000万円の家づくりをしていると、

20万円が小さく感じてしまうことがあります。

3,500万円が3,520万円。

数字だけ見ると、あまり変わらないような気がする。

「月々にしたら少しですから」

なんて言われると、

「それならいいかな」

となってしまう。

次に30万円。

さらに20万円。

また50万円。

気づけば100万円。

さらに打ち合わせを続けて200万円。

最後には、

「最初より300万円上がりました」

となる。

でも300万円って大金です。

住宅ローンで借りれば、利息も払います。

「月々いくら増えるか」だけではなく、「総額でいくら増えたのか」も見てほしい。

私はそう思います。


私が気になるのは「最初から分かっていた追加」

家づくりをしていれば、本当に予想できないこともあります。

地盤調査をしたら改良が必要だった。

解体してみたら想定外のものが出てきた。

お客様の希望が途中で大きく変わった。

こういったものまで、

「最初から全部分かるだろ」

とは言えません。

私が気になるのは別です。

最初から、

「このお客様なら、おそらくこの仕様を選ぶだろうな」

と分かりそうなもの。

モデルハウスで気に入っている設備。

打ち合わせで何度も希望していたもの。

生活するために必要になるもの。

それなのに最初の見積りには入っていない。

そして契約後に、

「それは別途です」

となる。

これでは最初の見積りが安く見えるのは当然です。


安い見積りを出した会社が勝つ?

もし住宅会社を金額だけで比較しているとしたら、

最初の見積りにいろいろ入れている会社ほど高く見えます。

逆に、

あとで追加になりそうなものを入れずに見積りを出せば、安く見えます。

でも最終的に同じ仕様にしたら?

A社 最初3,000万円 → 最終3,500万円。

B社 最初3,350万円 → 最終3,500万円。

結果は同じ3,500万円。

でも契約前なら、

「A社のほうが350万円安い!」

と見えてしまいます。

これでは正しい比較になりません。

だから住宅会社を比較するときは、

「最初はいくらですか?」ではなく、「自分たちが希望している家にしたら、最終的にいくらくらいですか?」

と聞いてほしいんです。


間取りが決まっていないのに、正確な見積りは出せる?

第2話でも書きましたが、ファーストプランから間取りが大きく変わることがあります。

LDKが広くなる。

床面積が増える。

窓が増える。

屋根が複雑になる。

収納が増える。

造作が増える。

それなら当然、金額も変わります。

だから私は、

間取りも仕様もほとんど決まっていない段階で出された見積りを、最終金額だと思わないほうがいい

と思っています。

「この金額なら建てられる!」

ではなく、

「この金額から、あと何が増える可能性がありますか?」

ここを確認する。

これはかなり大切です。


契約前に聞いてほしい質問

難しいことを聞く必要はありません。

私は住宅会社から見積りをもらったら、こんなふうに聞けばいいと思います。

「この見積りから、一般的に皆さんはいくらくらい追加になりますか?」

そして、

「この金額のままでも、モデルハウスで見たような家になりますか?」

さらに、

「私たちが今まで希望したものは、全部この見積りに入っていますか?」

この3つ。

そこで具体的に説明してくれる会社なら、安心材料の一つになると思います。

逆に、

「大丈夫です」

「皆さんこれくらいです」

「細かいことは契約後に決めましょう」

だけだったら、

私はもう少し確認します。

だって数千万円の契約ですから。


「追加が出ること」が悪いわけではありません

ここは誤解してほしくありません。

追加工事が出る住宅会社が悪い、という話ではありません。

家づくりをしていれば、

「やっぱりこれが欲しい」

は必ず出てきます。

私のお客様だってあります。

打ち合わせをしているうちに、最初にはなかったアイデアが出てくることもある。

それで家が良くなるなら、私は提案します。

ただ、そのときには、

「これをやると○万円上がります」

をできるだけ分かるようにしておく。

お客様が、

「それならやろう」

「そこまでならやめよう」

と判断できることが大切だと思っています。

怖いのは追加ではありません。

何が追加になるのか分からないまま契約すること。

こっちです。


家は「契約できる金額」で選ばない

最初の見積りが予算内だった。

だから契約した。

そのあと300万円上がった。

でも、ここまで打ち合わせしたし……。

今さら会社を変えるのも大変だし……。

「せっかく家を建てるんだから……」

そうやって予算が膨らんでいく。

私は、こんな家づくりをしてほしくありません。

住宅会社を決めるときに大切なのは、

「契約できる金額」ではなく、「住みたい家が完成する金額」

だと思っています。

3,000万円の見積りが安いのではありません。

その3,000万円で、

どんな家が完成するのか。

そこまで見て、初めて価格を比較できる。


そして最後に。

家づくりの打ち合わせで、

「せっかくですから」

が出てきたら……

一度電卓を叩きましょう(笑)

「一生に一度ですから」

と言われたら……

もう一度電卓を叩きましょう。

そして、

「後悔したくないですよね?」

と言われたら……

住宅ローンの残高も想像してみましょう(笑)

家づくりは楽しむものです。

追加にビクビクしながら進めるものではありません。

だからこそ契約前に、

「この金額で、どこまでできるのか」

をしっかり確認してから住宅会社を選んでほしいと思います。


次回は、

【第4話】「坪単価○○万円〜」の「〜」が一番怖い。

について書こうと思います。

「A社は坪70万円、B社は坪80万円だからA社のほうが安い」

本当にそうでしょうか?

延床面積で割る会社もあれば、施工面積で割る会社もある。

そもそも、その坪単価には何が入っているのか。

次回は、住宅会社によって違う「坪単価」の見方について書いてみます。

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