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「45日で木完です。」大工さんの一言に驚いた。工期が短すぎる家づくりに、私は賛成できません。

2026年8月24日

 

先日、私たちの現場の近くで、比較的よく知られている住宅会社の家が建築されていました。

たまたま、その現場で仕事をしている大工さんと話す機会がありました。

何気なく、

「工期って厳しいんですか?」

と聞いてみたところ、返ってきたのがこんな言葉でした。

> 「普通に朝8時から夕方5時までやっていたんじゃ終わらないですよ。」

さらに話を聞いてみると、

> 「上棟から45日で木完です。」
> 「休みの日に出ないと間に合わない時もあります。」
> 「このままじゃ体を壊しますよ。」

と言います。

ちなみに「木完(もっかん)」とは、上棟してから大工さんが行う木工事が完了すること。

つまり、柱や梁を組み上げて家の骨組みができたところから、床や壁、天井、造作などの大工工事を終わらせるまでを、45日程度で仕上げるということです。

私は建築の仕事に30年携わっていますが、この話を聞いて改めて考えさせられました。

工期が短くなれば、そのしわ寄せは誰にいくのか

もちろん、すべての住宅会社が同じような工期で家を建てているわけではありません。

また、工期が短いからといって、必ずしも悪い家になるという話でもありません。

工程管理がしっかりしていて、効率よく仕事が進められている現場もあります。

ただ、私が気になるのは、

「職人さんに無理をさせることで成立している工期ではないか?」

ということです。

工期が厳しくなれば、現場ではどうなるでしょう。

朝から夕方まで仕事をしても間に合わない。

休みの日も現場に出る。

次の現場が決まっているから、今の現場を早く終わらせなければならない。

そうやって職人さんが時間に追われていきます。

どんなに腕のいい大工さんでも人間です。

疲れれば集中力は落ちます。

焦れば、普段なら気づくような小さな部分を見落とす可能性だってあります。

家は、工場で完成品を買ってくる商品ではありません。

最終的には、現場で職人さんが一つひとつつくり上げていくものです。

だから私は、

職人を追い込むような工期で、本当にいい家が建つのだろうか。

そう思ってしまいます。

家づくりは「早ければいい」ものではない

住宅会社からすれば、工期を短くするメリットはあります。

一棟を早く完成させれば、次の現場へ移れます。

年間に建てられる棟数も増やせます。

決算までに完成させたい事情があることもあるでしょう。

会社を経営している私にも、そうした事情は分かります。

ですが、家を建てる目的は「会社の回転を良くすること」ではありません。

お客様が、この先何十年も安心して暮らせる家をつくることです。

ここを間違えてはいけないと思っています。

ベリーの家が職人さんを急がせない理由

ベリーの家では、職人さんに無理をさせるような工程はできるだけ組まないようにしています。

もちろん、お客様との約束がありますから、いつまでも工事をしていていいわけではありません。

工程管理は必要です。

ただ、

「とにかく早く終わらせてください」

という仕事のさせ方はしたくありません。

それよりも、

「急がなくていいので、丁寧にお願いします。」

と伝えています。

なぜなら、最後に家の品質をつくるのは職人さんだからです。

図面がどれだけ立派でも、使っている材料がどれだけ良くても、それを施工する職人さんが時間に追われていたら、本来の腕を十分に発揮できません。

大工さんだけではありません。

基礎屋さん。

屋根屋さん。

板金屋さん。

電気屋さん。

水道屋さん。

左官屋さん。

クロス屋さん。

家一棟を完成させるためには、本当にたくさんの職人さんが関わっています。

その人たちが、

「今回もいい仕事ができた」

そう思える環境をつくることも、住宅会社の大切な仕事だと思っています。

職人を大切にすることは、お客様の家を大切にすること

私は、職人さんの手間賃を必要以上に値切ることも、無理な工期を押し付けることもしたくありません。

安く、早く。

それだけを追い求めれば、一時的には会社にとってメリットがあるかもしれません。

でも、その負担を職人さんに押し付けてしまったら、長く続く家づくりにはならないと思っています。

職人を大切にすることは、結果としてお客様の家を大切にすることにつながる。

私はそう考えています。

家が完成してしまえば、壁の中や床の下など、見えなくなってしまう部分がたくさんあります。

だからこそ、現場で働く職人さんが、

「ここまでやっておこう」

「この納まりの方がきれいだ」

「将来のことを考えれば、こうしておいた方がいい」

と考えながら仕事ができる時間と環境が必要です。

家は、会社の都合で建てるものではありません

工期が短いこと自体が悪いとは思いません。

でも、その短さの裏側で誰かが無理をしていないか。

これから家を建てる方には、そんなところにも少し目を向けてもらいたいと思います。

「この会社は何ヶ月で家が建ちますか?」

だけではなく、

「大工さんはどのくらいの期間、この家に入るんですか?」

そんな質問を住宅会社にしてみるのもいいかもしれません。

家は完成したその日がゴールではありません。

そこから、お客様の何十年という暮らしが始まります。

だから私は、会社の都合や数字を優先して職人さんを急がせるより、

職人さんが胸を張って「いい仕事をした」と言える家をつくりたい。

建築の仕事に携わって30年。

いろいろな現場を見てきたからこそ、私はそう思っています。

今日も現場では、

「急がなくていい。丁寧にお願いします。」

そう伝えます。

それが、ベリーの家が大切にしている家づくりです。

 

 

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